2017年、11月17日、金曜日。
今年もついにこの日がやってきた。
そう。韓国人の食に欠かせないアイツをこしらえる日が…。
11月第3週目の週末、我が家では今年のキムジャンを行いました(^▽^)/
キムジャン(김장)とは
冬の間に食べるキムチを晩秋から初冬にかけて漬けこむ年中行事。朝鮮半島の冬は寒冷で新鮮な野菜が少なくなるため、そのかわりとして保存食のキムチを食べて不足するビタミンCを補ってきた。そのため、キムジャンでつくられたキムチを、野菜がとれない冬の間の食糧という意味から「冬の半糧食」ともいう。キムジャンということばは、キムチの語源とされる「沈菜(シムチェ)」を漬けて貯蔵する「沈蔵(シムジャン)」に由来する。
キムジャンは、立冬の前後の最低気温0℃以下、一日の平均気温が4℃以下のころに行われる。これはキムチが発酵食品であり温度管理が重要なためである。韓国の気象庁はキムジャンの時期を知らせるためのキムジャン前線の予報を行っている。(以下省略)
旦那さんとは結婚してまだ半年目ですが(結婚式はまだです)、実はキムジャンに参加するのは今年で3回目。
”嫁”ではなく”彼女”の時から旦那家族の行事にがっつり参加させてもらっていました笑
そこで!
今回キムジャンの様子をインスタのストーリーに上げたらまさかの大反響!笑
みんなこういうの好きなんだな~笑
そこで私は思いました。
一人でも多くの日本人のみなさんに、キムチがどうやって作られているのか知ってほしい!
そして韓国の嫁の生き様を知ってほしい!!!!!
ということで今日は我が家のキムジャンについて紹介します!
それではキムチの世界へレッツゴ~
韓国人にとってキムチとは
韓国といえばキムチ。誰もが思い浮かべる食べ物だと思います。
「いや、日本人だからってお寿司を毎日食べんように、韓国人も実際キムチそんな食べないやろ~www」
と思ったそこのあなた。
いいえ。食べますよ。毎日食べます。なんなら毎食※食べます。
※我が家の場合。
日本にいる限りキムチは「買って食べるもの」ですよね。
みなさんも牛角キムチとかオモニのキムチとかこくうまキムチとか、よく買うと思うんです。(私の大好物)
日本でも今や日常的に食べられているキムチ。
当然、本場韓国の食卓にはキムチが欠かせません。韓国の食文化を語るにはキムチは必要不可欠な存在です。
韓国では昔からキムチは「自分たちで漬けるもの」
そしてその慣習は現代にも受け継がれています。
とはいっても、韓国のすべての家庭が毎年キムチを漬けるわけではありません。
時代の移り変わりとともに、最近では買って食べる家庭も多いそう。(最近のキムチは市販のものもかなり美味しい)
また、韓国人だからってみんなが辛いものを好んで食べるわけではなく、辛いものが苦手な人も意外に多いんですよ。
私の周りにも何人かいます(゚д゚)!
キムジャンに適した季節と場所
キムジャンに適した季節
キムジャンは冬の間に(実際には1年中)食べるキムチを漬けることなので、季節が秋から冬に変わるころに行われます。
キムジャンに適している時期は、最低気温が0℃以下、平均気温が4℃以下の日が続いている頃。
この時期に漬けたキムチが最も美味しいんだそう。
この時期を逃すとキムチが凍ってしまうし、何より寒すぎて作業ができません笑
今年も11月に入ってから早速寒い日が続き、第2週目(11/11)と第3週目(11/18)にキムジャンを行う家が多かったようです。
キムジャンに適した場所
我が家のキムジャンはいつもお義父さんの故郷である忠州で行うのが恒例。
ココ!↓(ソウルとプサンは目安に^^)
韓国のちょうど真ん中くらいにある地域です!
今年も忠州にある伯母さんの家を借りて行いました!
もちろん漬けるキムチの量によっては、家庭の台所やベランダなどで作業しても良いのですが、なにせ我が家のキムジャンはスケールが違う。
親戚が集まって行うので、自分の家だけではなく何家族分ものキムチを漬けるわけです。
となると、アパート内の狭い空間で漬けるのは難しい。
なので、田舎にある親戚の家に集まってキムジャンを行います。
キムチはこうやって作られる!
いよいよ皆さんお待ちかね!我が家のキムジャンを紹介いたします!
iPhoneの写真、しかもインスタストーリーに挙げたものを使っていますので少々画質が悪いのはご愛嬌!
1日目
ユニフォームに着替える
まずはキムジャンのユニフォームから紹介。笑
キムジャンをするときは、とにかく服なんかに構っていられないので、動きやすい&温かい&汚れてもいい服が鉄則。
私は毎年この姿で挑んでいます笑(主人の実家からの借りものです←)
中に何枚も重ね着してるので雪だるまみたい。。。
①白菜の収穫
伯母さんの家に着くなり、まずは畑の白菜を収穫します!笑
今年もみずみずしく新鮮な白菜を育ててくださいました><!!(収穫に夢中で収穫前の写真を取り忘れるorz)
②白菜を半分に切る
今年漬ける白菜の数はなんと180株!!!!!(およその数)
毎年このくらいか、もっと多くの量を漬けています笑
※我が家はかなり多い方。一般家庭ではこれだけの量を漬けることはないと思われます笑
③白菜を塩漬けする
樽に濃いめの塩水を用意し、半分に切った白菜を浸けた後、水を適当に切って樽に詰め込んでいきます。
一層ごとさらに塩を振り、塩漬けにします。
④その他の野菜の準備(ヤンニョム=味付け に使う野菜)
塩漬けの作業が終わったら、キムチのヤンニョム(味付け)に入れる野菜の準備をします。
長ネギ、ワケギ、玉ねぎ、大根、からし菜
こちらも伯母さんの家でたった今収穫した新鮮な野菜たち!
漬けるキムチの量が多いので、野菜の量も膨大www
私、お義母さん、旦那氏の叔母さんの3人でひたすら野菜をきれいにします。
⑤キムチに入れる出汁をとる
私たち女性陣がせっせと野菜を準備している間、かまどでも作業している方の姿が…
玉ねぎ、長ネギ、大根、スケトウダラの頭で4~5時間ほどの時間をかけて、キムチに入れる出汁をとっているんです。
この作業は毎年お義父さんの担当!
⑥ヤンニョムに入れる野菜を刻む
女性陣は、野菜を綺麗にする作業が終わり、そのまま刻む作業!
ヤンニョムを作るのは明日ですが、今日のうちに野菜はすべて刻んでおきます。
⑦ニンニクを刻む
ニンニク刻みマシンを使って無心にニンニクを刻みます。
伯母さんがひたすらニンニクを刻んでいる横で、のうのうとおしゃべりに花を咲かせる私(おい)
⑧夜食タイム&白菜を動かす
明日に向けた一通りの準備が終わったところで、みんなで夜食タイム!!
白菜はこの間にも自分たちの重なり合いによる重さを利用して、着々と塩漬けが進んでいることでしょう。
夜食を食べてエネルギーチャージした後、夜12時に一度白菜をすべて動かします。
これは、樽の底にいる白菜と上にいる白菜とでは塩漬けの度合いが違うため、まんべんなく塩漬けされるようにするため。
旦那さんは仕事が終わってからこちらに向かっていたので、深夜2時に到着。
私は寝ぼけ眼で感動の再会。
2日目
①白菜を動かす&大根の千切り
2日目の朝5時。
昨夜12時に行なった白菜を全部動かす作業をもう一度行います。
この時にはかなり塩漬けが進んでいて、白菜たちはだいぶクタッとなっています。
みんなで朝ご飯を食べ、8時ごろからさっそく作業開始!それぞれの持ち場に着きます。
こちらはお義父さん担当の大根の千切りパートです。
スライサーでひたすら無心に大根をスライス。
ここではひたすら目の前の大根のことだけを考えます。
②白菜を水洗い&塩振り
こちらは女性陣の白菜水洗いパート!(途中お義父さんも合流)
塩漬けした白菜を虫や土、汚れがついていないかを確認しながら丁寧に3度洗いします。
この時、白菜のお尻(根)の部分が汚い場合は綺麗にそぎ落とし、見た目を整えます。
③キムチ保管ケースの準備
韓国はだいたい各家庭ごとに「キムチ冷蔵庫」というキムチ専用の冷蔵庫があるのですが、冷蔵庫を買うとキムチを保管するこのようなケースもセットでついてきます。
我が家の場合、毎年親戚が集まってキムチを漬けるので、このキムチ保管ケースも各家庭持ち寄るのですが、いかんせんデザインが似たり寄ったり。
どれがどの家の物かわからなくなって、持ち帰ってみたら冷蔵庫におさまらなかったということにならないよう、去年から各家庭のケースに名前を書くことを義務付けました!笑
ケースの底には大きめに切った大根を何個か入れておきます。
時間が経つとこの大根にも味が染みて美味しい大根キムチになります♪
④ヤンニョムづくり
いよいよキムチの命となる作業。ヤンニョムを作ります。
大きな樽に、大人たちに指示された材料を次々と流し込んでいきます。
- 唐辛子粉
- からし菜
- ワケギ
- 長ネギ
- 大根(千切りしたもの)
- 出汁(玉ねぎ、長ネギ、大根、スケトウダラの頭)
- えびの塩辛(ミキサーにかけたもの)
- 生えび(ミキサーにかけたもの)
- 梨(ミキサーにかけたもの)
- 梅エキス
- 刻みニンニク
- もち米粥
- いかなご魚醤
- カタクチイワシ魚醤
- 塩
- ニューシュガー
- 味の素
- ごま
↑えびの塩辛をミキサーにかけたもの
↑プル(糊)と呼ばれるもち米粥
昨日の夜、伯母さんが刻んでくださったニンニク(先ほどの動画参照)もこの通り。
大量投下!!!!!
これらの材料を長年の経験と勘をもとに目分量で入れるんだから、すごい。
親戚の大人たちはキムチづくりのプロです。
⑤ヤンニョムをひたすらかき混ぜる
この作業がかなり大変。材料が均等になるようにひたすらかき混ぜます。
腰に来るので、男性陣の出番。何人かで交代しながら行うときもあります。
このヤンニョムの香りだけで、どの材料が足りないかを判断しているお二方。
脱帽。
ヤンニョムに水気が足りなかったため、白菜の塩漬けから出た水を投入!
材料を余すことなく使うの素晴らしい。
⑥いよいよキムチが!ヤンニョムをもみこむ
昨日から丹念にお世話してきた白菜ちゃんがいよいよキムチに(´;ω;`)嬉泣
こうやって白菜1枚1枚にヤンニョムをもみこんでいきます。
芯部分は少し多めに、葉部分は擦る程度。
私はヤンニョムをもみこむ担当!(写真に写っていないのが残念…泣)
うちの旦那さんはヤンニョムもみこみパートのところに白菜を運ぶ & 詰め終わったケースを整理する担当です。
これもかなりの力仕事。
大好きな旦那さんが私のところに白菜をせっせと運んでくれます。
ですが、そんなけなげな姿には目もくれず、ひたすら目の前の白菜のことだけを考えます。だってそれが私の使命だから。
いつもは旦那さんに注いでいる愛情を、今日ばかりは目の前の白菜たちに注ぎます。それがヤンニョムもみこみ係に与えられた使命なんです。
キムチにとって適切な量を加減しながらキムチを漬ける。
ヤンニョムもみこみ係の愛情によって今年のキムチの味が変わるといっても過言ではありません!!!!
(いや、どうしたどうした)
その他、ヤンニョムを運んだり塩を振ったり、全体を指揮したりするパートをそれぞれが担当します。
⑦キムチを箱詰め
先ほど用意したキムチ保管ボックスにヤンニョムをもみこんだキムチを詰めていきます。
こうやってひとつひとつに塩を振るのは、発酵による浮きカス(カビ)を防ぐためだそう。
こうやって最後に塩漬け白菜の切れ端を被せるのも、浮きカスを防ぐため。
昔の人の知恵ってすごい。
脱帽。
⑧残ったヤンニョムも無駄にしない
無事に白菜を漬け終わり、ヤンニョムが少し余りました。
このヤンニョムを捨てるなんて言語道断。
残ったヤンニョムで畑で採れたミニ大根もキムチに♪
無駄を出さないで全部を美味しくいただく。素晴らしいですよね。
脱帽。
⑨家族みんなでキムチを囲む
これでキムジャンのすべての工程が終わりました。
使った道具や現場の後片付けをみんなで行った後は、出来立てのキムチを囲んで美味しい夕食❤
毎年、伯母さんたちが手料理を振舞ってくださいます。
今年のキムチは唐辛子が多めに入って結構辛め!
でも不思議なことに発酵が進むにつれこの辛さはなくなっていきます。
今年も美味しくできて、私も誇らしい。
あと、かまどで焼いたサムギョプサルがもう、最高の一言に尽きます。
お義父さんのソジュ(焼酎)も進む進む~~
⑩キムチづくりの疲れは銭湯で癒す
忠州の伯母さんの家の近くには温泉があります。
キムジャンが終わるとみんなで温泉につかりに行くのが毎年の恒例!
温泉につかってバッキバキの足腰をマッサージする瞬間が至福の時。
今年も美味しいキムチができてみんな大満足でした。
キムジャンを終えて
今年は私にとって3度目のキムジャンでしたが、韓国にお嫁に来てからは初めてのキムジャン。
もう”彼女”ではなく”嫁”なんだと、いつもより気を引き締めて挑みましたが、幸いなことに親戚みんな相変わらずすごくフレンドリー!笑
堅苦しさも一切なく、今年も最高に楽しいキムジャンになりました❤
こうやって、日本ではなかなか体験できないことを経験させてもらうたび、「私は韓国にお嫁に来たんだなあ」と思うと同時に「貴重な体験をさせてもらってるなあ」と実感します。
そして最初は日本の家族や友達だけに教えていたこのような韓国の生活を、ひとりでも多くの日本人に伝えたいと思うようになりました。
日本にいると「韓国にお嫁に行くってそりゃもう大変」というイメージを持っている方が非常に多いと思いますが(私も家族や友達に言われます)、私はそのイメージを少しでもぬぐいたい!!!
もちろん外国なので大変なこともありますが、全部が大変なわけじゃないし、私はむしろここでの生活がとっても楽しいです❤!!
(結局のところ、日本とか韓国とかそういうの関係なしに家庭内の人間関係がすべてのカギを握っていると私は思う。)
そして私が実際に体験した韓国生活のあれやこれを、ブログという形で発信していくのがとても楽しい!
今回のキムジャンの記事も、読んでくださる皆さんが楽しめたらいいな~♪という想いで書きましたが、書いてる私が一番楽しんでいたかも笑
これからも楽しめる!ためになる!記事を書いていきたいと思っておりますので、どうぞ温かい目で見守ってやってください❤ふふ
☟Twitterでは、ブログの更新情報やありのままの韓国生活を発信しています!よかったらフォローしてくださいね☟