日本でもニュースになっていたと思いますが、11月15日(水)の午後2時29分に韓国浦項で地震が起こりました。
韓国に住むひとりとして被災地の方々を思うと心が痛みます。
そしてそれと同時に「地震の起きない国」と言われてきた韓国でこの1年、大きい地震が2度起きたという事実にとても不安を覚えます;;
今日は、韓国の地震事情について少しお話ししたいと思います。
11月15日、浦項地震
シオモニ(お義母さん)とお昼を食べてショッピング中。
二人のケータイと周りの人たちのケータイが同時に鳴り出し「何事?!」とザワザワ…
ケータイを見るとこんな通知が。
緊急速報
[気象庁] 11-15 14:29 慶尚北道 浦項市 北側 6km地域
規模5.5 地震発生/余震等 安全に注意してください。
규모(規模):マグニチュード
韓国でこの通知が来るのは主に猛暑の時(暴炎注意報)。
まさか地震の通知だとは…
そして16:49にもまた同じ通知が。余震が続いているようでした。
私とシオモニはバスで家に帰る途中、ネットで地震の被害を確認。
twitterでまわってくる写真にもびっくり。多くの被害が出ていました。
youtubeで確認した動画もいくつか載せておきます。
―[제보영상] “잠자던 개도 깜놀”···포항 지진 CCTV / YTN―
【引用:youtube】
―포항 5.4 지진 ‘아찔’ 피해 영상 잇따라―
【引用:youtube】
日本と韓国の震度分類について
今回の浦項の地震、韓国では本震(11月15日14:29)の最高震度は震度5、余震(11月15日16:49)の最高震度は震度7といわれています。
しかし実は、韓国と日本の震度の分類は少し違うそう。
少し古い記事ですが、こんな表を見つけました。
【引用:연합뉴스(2012-01-04 22:31)】
この表を見ると、韓国での震度5は日本での震度3~4程度ということになり、韓国での震度7は日本の震度5程度。
実際、日本で震度3~4の地震が起きても、「お、今回はちょっと揺れたな」くらいでそこまで大きな被害にはならないですよね。
それにもかかわらず今回の浦項地震では、日本で同じ震度の地震が起こったときとは比べ物にならない被害が出てしまいました。
韓国の建物の耐震性って…?
今回の被害が大きかった原因のひとつは、間違いなく建物の耐震性にあるといえます。(その他、地盤等の問題は私も詳しくないので触れません。)
日本では、地震は「今までも来たし、この先も来るもの」として考えられ、建物も耐震性の規定に基づいて建てられます。
しかし韓国では、地震は「今までも来なかったし、この先も来ることはない」と考えられているため、耐震性とかそんなんはゆるゆる。
柱が激細の建物とかやたら細長いビルとかそこらじゅうで見かけます。
それもそのはず、今回の浦項地震は大韓民国気象庁が1978年に観測を始めてから歴史上2番目に大きな地震だそう。
ということは、日本で言うところの震度3~5程度の地震が、韓国の歴史上2番目に大きい地震だったということになります。
ちなみに韓国で歴代1位の規模の地震は、昨年に起きたマグニチュード5.8の慶州地震
このことからもわかるように、韓国人の地震の認識は
- 韓国は地震が起きない国
- 地震=日本
- 地震?日本は地震でいつも大変そうだなあ;;
この程度なんです。
だから学校には「防災頭巾」なんてものもありません。
地震避難訓練もありません。
でももうそんなこと言ってられないよ?!?!?!
地震起きてるよ?!?!?!
前に旦那さんに「韓国で地震来たらオワルヨ。ゼンブクズレルヨ!!!!」って言ったら「心配しないで。韓国には地震来ないから!」ってなだめられたけど。いや。来てる!!!来てるよ!!!
韓国の地震への危機意識
今回の地震から3日後の11月18日、何気なくテレビを見ていたら、KBSで「天年古都の恐怖」という番組が放送されていました。
【引用:[미리보기] 시사기획 창 : 특집 ‘ 경주 지진 1년 천년고도의 공포’】
この番組は、韓国歴代1位といわれる昨年の慶州地震から1年が経ったことによる、スペシャル番組でした。(再放送)
この番組で終始強調されていたのは、”韓国でまさか地震が起きるとは思っていないため被害が大きく、人々の恐怖心や心の傷も大きい”ということ。
当時の被害状況はもちろん、実際に被害にあった方々の現在の生活の様子等も紹介されていました。
そして当時の地震を受けて参考にされていたのは、お隣日本の「地震対策」
日本で地震の被害を受けた方々の仮設住宅や現在の様子、また日本の地震速報の技術などが取り上げられていました。
被災地である慶州の幼稚園では、地震後、保護者たちが日本での地震対策について熱心に調べ、日本で防災頭巾を購入し、園に導入。
地震避難訓練も定期的に行うようになったそうです。
慶州の地震から1年経ち、KBSのスペシャル番組천년고도의 공포(天年古都の恐怖)という番組で、日本の地震対策について取り上げてる。緊急地震速報はもちろんだけど、まずは韓国の教育機関や自治体を通して避難方法とか地震に対する心構えとか備えとかそういう概念をまずは国民に広めて欲しい。 pic.twitter.com/NcmSF99fG0
— こまる (@___ancomaru) 2017年11月17日
慶州の幼稚園では、去年の地震を受けて保護者が日本の地震対策について調べ、日本から防災頭巾を直接購入して園に導入したとのこと。合わせて地震訓練も行うようになったと。「韓国は地震が起きない国」なんてことはもう言ってられない。
— こまる (@___ancomaru) 2017年11月17日
私としてはこういうテレビ番組を、ぜひ日常から放送してほしいなと思いました。
今までの韓国は「地震の起きない国」だったので、韓国に住む韓国人の多くは地震を経験したことがありません。
もちろんそれに越したことはありませんが、「地震の経験がない」ということはそれだけ「危機意識が低い」ということ。
だけどもう悠長なことは言っていられません。
これからの人生を韓国で送るであろう私としては、教育機関や自治体が地震に対して積極的に理解を深めてほしいと願うばかり。
- 地震が起きたらまずは身の確保
- ドアを開けて出口を確保
- 火は消す
- おはしも(押さない・走らない・しゃべらない・戻らない)
このような「地震が起きたときの基本」を国民に浸透させるべき。
そうでないと、子どもを学校に預けるのも怖いです;;
私も日本人として、地震に対する危機の意識を自分の周りの人から伝えていきたいです。
(まずは旦那さんにこのマニュアルを説明することから始めます。)
また、私自身も「自分は韓国に住んでいるから。日本で地震に対する教育を受けてきたから。」と自惚れるのではなく、この機会に地震対策についてもう一度見直します。
浦項地震による修能試験の延期
韓国の修能試験(通称:수능スヌン)は日本の皆さんもご存知の方が多いと思います。
日本で言うところのセンター試験で、学歴社会の色が濃い韓国では、一生がかかった試験と言われています。(もちろん私はそうは思いませんが。)
当日の朝、遅刻した学生を警察官がバイクの後ろに乗せて送ってくれる様子とか、よくニュースに出ますよね笑
実は、今年のスヌンは11月16日(木)の予定だったのですが、前日の浦項における地震を受けて1週間延期になりました。
これもまた韓国で地震が起きたのと同じくらい異例のこと。
今年の高3の子たち、試験だけでも不安で押しつぶされそうなのに、地震の不安まで加わって気の毒だなあと思うばかりです…ㅠㅠ
…全国の高3生、そして被災地の皆様がんばれㅠㅠ!!!
ちなみに私は次の帰国に合わせて、防災セット買って帰ろうか本気で検討中。
これを機に、防災グッズを色々調べてみましたが、結構高いんですね((((;゚Д゚))))ガクブル
もちろん命を考えたら安いモンなんだろうけど…。
日本に住む皆さんも、この機会に今一度、防災対策を!!!
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